山口県熊毛郡上関町祝島植物観察会(2006-1-15)

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山口県熊毛郡上関町祝島
 祝島(いわいしま)は、柳井市の南西約20キロに位置する小島で、万葉集にも詠まれている古い歴史の島とのことである。
柳井市の南西約20キロににある小島で、船は一日二便しかないため、日帰り植物観察は出来ない。  そのため前回同様釣りの瀬渡し船で訪れ、室積港より約30分で到着した。
祝島は、平地はほとんどなくて、北東部の渡船場近くの山の斜面に、約500戸があるとのことである。
石垣に囲まれ、家の外壁や塀もすべて石を積み上げて造られ、大変珍しいと感じた。  家風が強く台風も多くやってくるため、このような強靭な造りなったと思われる。
路地は、人がすれ違うのがやっとという狭さあるであり塀ずくり、補修工事も大変と思われる。
以前より興味があり写真が撮りたいと思っていたところ、船を待つ時間があり写真が撮れ幸運であった。 植物では、ケグワ、アコウ、コッコウが最も関心があり良かったので写真を今回は多く紹介する。

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瀬渡し船
三浦湾のケグワ、コッコウの生育場所に近い。潮が高い時間に到着した。干潮時には船をつけられないとのことである。
No. 1

ハマウド 
セリ科シシウド属
越年草で関東から九州の海岸の砂地に生える。
茎は直立し、暗紫色を帯び、1〜1.5mになり、葉は1〜2回3出羽状複葉で光沢がある。
茎の先に大形の複散形花序をだし、白色の小さな花を多数開き果実は広楕円形でふちに翼がある。
花期は4から6月である。綺麗であるが食用にはならないとのことである。
No. 2

 カジノキ
 クワ科 カジノキ属  
紙の原料で中国から入ってきたが、日本で祝島ではじめて見つかったとのことである。
カジノキは中国中南部やインドシナ、マレーシア等に分布する落葉高木である。
高さ4から10mになり、大きなものでは16mに達する。
カジノキは雌雄異株で、5から6月、若枝の葉腋に1個の花序を付け夏の終わりに、集合果を作るとのことである。
No. 3

ツルナ(別名ハマヂシャ)
ツルナ科 ツルナ属
砂質の海浜に生育する多年生の草本で、海流によって種子が散布されるので、 アジア・オーストラリア・南アメリカなどの海岸に広く分布しているとのことである。
葉は多肉質で無毛であるが、粒状の微細な突起があり、砂浜の中では比較的安定した場所に良く生育する。
和名はツル状に伸びて、食べられる事に由来するとのことである。
  No. 4

ハマボッス   
サクラソウ科オカトラノオ属
2年草で北海道かあら九州の海岸に生える。茎は数本が根もとから群れて立ち、高さ10〜40cmで無毛である。
葉は倒卵形で互生し、光沢があって肉質である。茎の先に総状花序をつけ、多数の白い花が密に咲く。 花序ははじめは短いが、のちにのびて5〜12cmとなる。
花冠は白色で1〜1.2cm、深く5つに裂ける。さく果は球形で花期は5〜6月である。
No. 5

スイカズラ(吸葛)の果実
スイカズラ科 
花期は春である。 別名をキンギンカ(金銀花)というのは初め白色の花がだんだんと黄色くなるので 金色と銀色の花が混じって咲くように見えることに由来するとのことである。
山野や道端に普通に生える蔓性の植物である。
花は唇状に大きく 2 裂し,上弁は先が 4 裂する。花は 2 個ずつ並んで咲き、種も同様に2個並んでつく。
No. 6

ウメノキゴケ(梅の木苔
 ウメノキゴケ科 
地衣類を代表するもので,ウメノキゴケ科には日本に 130 種もあるとのことである。
ウメノキゴケだからといって梅の木にだけつくわけではないようである
空気のよごれのひどい場所では見つからないので、身の回りの環境を知る手がかりになる生き物「環境指標生物」とのことである。
No. 7

フウトウカズラ
コショウ科コショウ属
常緑のつる植物で、関東南部以南の霜の殆ど降りないところ、海岸近くの林内に生育し、茎の節から根を出して樹上、地上や岩石上をはって広がっていく。
常緑樹林に下草として生え、一年中、日の当たらない場所でわずかな木漏れ日でも生育する。
花は初夏、黄色い穂状花序を枝の先につけて垂れ下り、雌雄異株である。赤い実は目立ち美しい。  
No. 8

     キカラスウリ
(ウリ科)
日本の特産で北海道(奥尻島)・本州・四国・九州・奄美大島に自生する多年生のつる植物で雌雄異株である。
花や果実の鑑賞用に庭に植栽されている。
古くより塊根から澱粉をとって天瓜(花)粉をつくり,また根を止瀉,解熱薬として,種子は鎮咳,去痰, 鎮痛薬として使用してきた。
果肉は乾燥すると甘味があり食用になるとのことである。  
No. 9

ケグワ案内標識

前回訪問した際は無かったが、南先生の要請により設置されたようである。
県道のすぐ側にあり初めて訪問の方もケグワを迷わず見ることが出来るようになったと思われる。
No.10

ケグワ案内標識

最後のケグワ標識でこれが無いと行き過ぎてしまう恐れがある。
No.11

ケグワ    

牧野新日本植物図鑑によるとケグワは本州西部、四国、九州、朝鮮南部に自生する落葉性高木で、雌雄異株とのことである。
山口県では火山岩地と石灰岩地に点々と分布し、祝島の三浦(小田)にある県指定天然記念物のケグワは多分雌木とのことである。。
祝島のが県指定天然記念物になっているのは、巨木でありこれだけの巨木は他にないとのことである。
No. 12

ケグワ   

県指定天然記念物のケグワの根回り3.9m、目通り周囲3mである。
もともと祝島にはヤマグワ(養蚕のクワに近い種)は無く、ケグワだけだったようであるが、 最近(10年くらい前)ケグワでないクワが十数本見つかりケグワに影響を与える恐れがありひとまず切ったとのことである。
[祝島紹介ホームページによる。]
No. 13

 参加者

参加者:22名
No. 14

 ミヤコジマツヅラフジ
ツヅラフジ科
沿海地の照葉樹林の林縁などに生える常緑のつる植物である。本州(山口)〜沖縄に分布する。 無霜地帯の海岸に近い林縁などに稀に見出される。
若い枝には軟毛がある。葉は楯状につき,長さ,幅ともに3〜9cm,若い葉の裏面には軟毛が生える。
花は8〜10月に開き,花序は円錐形で,小さな花を多数つける。果実は球形,径約5mmで淡紅色である。
No. 15

 ミヤコジマツヅラフジ
葉の接写写真
福岡県カテゴリーは 絶滅危惧U類 である。
山口県のYDBY種である。(Yは黄色い本の意味で以前絶滅危惧種にあてていた)
No.16

 タンキリマメ 
 マメ科 タンキリマメ属  
千葉県以西の本州〜琉球、朝鮮・中国・フィリッピンに分布する多年草のツル植物である。
海岸近くの草地や低地の荒地に生育し、茎は長く伸びて密に葉をつけて他の植物を覆う。
葉は3小葉からなり、小葉はひし形に近い倒卵形で円頭で、葉はやや厚く、両面と縁に毛がある。
花は7月から10月にかけて次々と咲き、淡黄色色で水平に咲き、長さ8〜10mmである。 赤く熟し中には2つの光沢のある種子が入っている。
No. 17

ナシカズラ(祝島ではコッコ−)  
 マタタビ科
西日本から沖縄にかけての南西諸島に分布する落葉、つる植物で市販のキウイと近縁の種類とのことである。
別名シマサルナシ、 サルナシ や マタタビ と同じ仲間で、さらにキウイとも同属とのことである。
No.18

ナシカズラ(方言コッコウ)の伝説
 今から二千二百年前の中国、秦の時代に、徐福が始皇帝の命を受け、東方海上に浮かぶ「蓬莱の島」をめざして出航した。  
目的の島は神々が住み、不老不死の霊薬が実る楽園、瀬戸内海に浮かぶ孤島「祝島」なのである。  
徐福は祝島の三浦湾の渓谷深くに、今もひっそりと自生するコッコーという木の実の結実を満開の桜の下で 石に刻みを入れて将棋を指しながら待ったとの伝説が残っているとのことである。   
[こっこうの部屋ホームページによる。]
No. 19

ナシカズラ(コッコウ)の根元

今回見たところ最も太い茎である コッコウに果実が高い場所に残っていた。少量落下していた。
No. 20
 
 
ナシカズラ(コッコウ)の果実

徐福伝説では一粒食べれば千年長生きするというこの奇果である。
南先生が植物試験地で栽培されたコッコウの実を今回の参加者全員に配って下さった。
その写真である。
No. 21

生育場所
海岸から急斜面を登る。短い距離ではあるが落石足場に注意が必要である。
No. 22

アコウ  
クワ科 イチヂク属 常緑樹で親木に寄生し根を垂らし、最終的には親木を覆いつくす、絞め殺しの樹木でもある。
常緑亜高木−高木。大小の枝幹に直接球形の花のう(果のう)をつける。 枝幹により不定期的に、一斉に着葉や落葉、また、花のう(果のう)も不定期的に一斉に生ずる。
日本では本州(紀伊半島、山口県)、四国、九州、琉球に分布する。 [レッドデータ山口による]
No. 23

アコウ
日本では本州(紀伊半島、山口県)、四国、九州、琉球に分布する。県内では柳井市、上関町、東和町から知られる。
県内では4つの島から知られ、このうち2島では少数個体である。亜熱帯性植物で、北限線上にあり植物地理学上重要 とのことであるである
国外では中国、インドネシア、タイ、マレーシアなどに分布する。 [レッドデータ山口による]
No. 24

アコウの花のう(果のう) 
枝幹に直接球形の花のう(果のう)がついている、
No. 25

アコウ全景
県道から見上げた、岸壁に生育するアコウの全景である。生育状況がよく生き生きした緑が印象的である。
No. 26

祝島集落風景
連絡船の渡船場付近に集落が集まっている。
全景を撮影するため船を待つ時間に一人で見える場所まで登って見た。 残念ながら逆光であった。  
No. 27

石積みの練塀 
最近手入れがされた感じがする。趣がある。 練り塀の撮影に来られる人も多いようである。
No.28

練塀
歴史の感じられる練塀である。年月が感じられ素晴らしい。
No. 29

練塀
石組みに食い込んだ蔦から年月が感じられる。
No. 30

練塀の玄関
歴史が感じられる玄関である。
No. 31

祝島集落
島の東側の港付近の集落である。
No. 32

感 想 そ の 他
前日より天候が悪く心配していたがこの時期最高の風も無い天候に恵まれよかった。 2003年4月4日にこの会で訪問し2度目である。同じ場所でも新しい発見はあるもので楽しい。 特に今回は以前から興味があった練塀の写真が沢山撮れてよかった。素晴らしい自然があるが観光開発は されていないようである。自然保護の面からは良いのかも知れないと感じた。


観察記録した植物の紹介
祝島  2006/01/12
ケグワ、ダンチク、オオバグミ、ノジギク、テリハノイバラ、ツルナ(ハマジシャ)
ハマッボッス、ボタンボウフウ、ハマナデシコ、カジノキ、ヨシ、カモジグサ、
オニヤブソテツ、スイカズラ、ウメノキゴケ、イヌマキ(自生)、ビワ(自生と栽培)、
アマチャヅル、キカラスウリ、イシカグマ、テイカズラ、フウトウカズラ、
ミヤコジマツヅラフジ、ハスノハカズラ、タンキリマメ、イヌマキ(自生)、
ヨモギ、ハハコグサ、ナズナ、トウダイグサ、カンツバキ(サザンカとツバキの雑種)、
センニンソウ、アキニレ、カワラヨモギ、ツキシキケマン、ハスノハカズラ、
ハマウド、ハマナデシコ、カジノキ


- 2006年1月26日更新 -


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